一般財団法人肥料経済研究所

施肥改善技術 導入事例【大麦】

技術の名称

  • 1土壌診断や栄養診断に基づく施肥設計の見直し
  • 2局所施肥技術の導入
  • 3肥効調節型肥料の使用
  • 4施肥時期、施肥回数の改善
  • 5単肥やBB肥料等の安価な肥料の使用
  • 6りん酸、加里成分を押さえた複合肥料(L型肥料)の使用
  • 7たい肥や緑肥の活用
  • 8たい肥以外の地域の有機資源の活用
  • 9VA菌根菌等の利用による
       土壌中に蓄積された肥料成分の活用
  • 10その他

栃木県新潟県富山県石川県鳥取県岡山県山口県福岡県佐賀県

栃木県

地区名 栃木県全域
主体

個別農家

面積(ha) 258 年次 H18 低減率(%) 15
最寄りの普及指導機関

経営技術課

(電話番号)028-623-2322

技術の名称

1土壌診断や栄養診断に基づく施肥設計の見直し

10その他(土壌特性、収穫物品質を考慮した新開発肥料の普及)

導入目的・背景

品質の向上

施肥改善技術の内容 ビール麦栽培では、子実の蛋白質含有率を10~11%に抑制することが重要である。しかし、黒ボク土壌では蛋白質含有率が高まりやすい。そこで、黒ボク土壌での栽培に適合した肥料を開発、普及した。
成果等 緩効性の窒素成分を含まず、りん酸成分を30%と高くしたので、子実中蛋白質含有率を適正レベルに抑えるとともに、初期生育を確保し根量を確保する効果がある。
留意事項・課題

新潟県

地区名 新発田市 (JA北越後)
主体 農協 面積(ha) 33 年次 H21 低減率(%) 13.1
最寄りの普及指導機関

新発田農業指導センター

技術の名称 3肥効調節型肥料の使用
4施肥時期、施肥回数の改善
導入目的・背景

化学肥料施肥量の低減
化学肥料費の抑制
施肥労力の軽減

施肥改善技術の内容 ○2か年の肥料試験の結果から樹脂コーティング燐硝安を主成分とする資材を基肥専用肥料としてJA北越後で商品化。 
○このことにより、施肥回数の改善(7回→2回)、肥料費抑制、化学肥料施用量の低減につながった。
成果等 施肥量が労力軽減、コストの削減につながっており、当技術の普及率は高い(普及率、管内アスパラガス農家の75%)。
留意事項・課題 ・樹脂コート肥料のため、春先の気温が低い時期や土壌水分が少ない場合に肥効が出にくい。そのため、平成23年度からは、基肥に化成肥料をプラスすること、こまめな灌水等で、適正な土壌水分を保つように指導している。

富山県

地区名 上市町堤谷
主体 その他生産者組合 面積(ha) 4.1 年次 H20 低減率(%) 4
最寄りの普及指導機関 富山農林振興センター
(電話番号)076-444-0413
技術の名称 2局所施肥技術の導入
3肥効調節型肥料の使用
4施肥時期、施肥回数の改善
導入目的・背景 施肥労力の軽減
環境保全型農業への対応
施肥改善技術の内容 ドリル播種機による播種同時施肥(側条施肥・肥効調節型肥料)
成果等 省力化が図れ、慣行より発芽・苗立が安定し収量も向上
留意事項・課題
地区名 射水市新湊地区
主体 その他生産者組合 面積(ha) 213 年次 H18 低減率(%) -9
最寄りの普及指導機関 高岡農林振興センター
(電話番号)0766-26-8476
技術の名称 3肥効調節型肥料の使用
導入目的・背景 化学肥料施用量の低減
化学肥料費の抑制
施肥労力の軽減
施肥改善技術の内容 肥効調節型肥料を播種と同時に施肥
成果等 肥料コストが約20%削減
留意事項・課題 年により生育状況に応じた追肥施肥が必要となる。
地区名 高岡市中田地区
主体 個別農家 面積(ha) 28.1 年次 H18 低減率(%) -12
最寄りの普及指導機関 高岡農林振興センター
(電話番号)0766-26-8476
技術の名称 3肥効調節型肥料の使用
導入目的・背景 化学肥料施用量の低減
施肥労力の軽減
施肥改善技術の内容 肥効調節型肥料を播種と同時に施肥
成果等
留意事項・課題

石川県

地区名 白山市JA松任管内
主体 その他生産者組合 面積(ha) 70 年次 H21 低減率(%) -11.0
最寄りの普及指導機関

石川農林総合事務所 農業振興部

技術の名称 1土壌診断や栄養診断に基づく施肥設計の見直し
3肥効調節型肥料の使用
導入目的・背景

収量の向上

施肥改善技術の内容 ・JA松任ではH21年度から水田の有効活用として大麦の栽培に取り組んだ。
・JA松任の土壌は、沖積壌土で県内でも比較的地力の低い地区である。
・H21年度は基肥一発+消雪期追肥を行ったが、目標収量350kgを下回る250kg程度であった。
・そのためH22年度は、新たに止葉展開期追肥を行い、千粒重の向上を図ることとした。
・その結果、収量は、平均で307kg/10aとなり、9生産者のうち3生産者は350kg/10aを超える収量であった。
成果等 収量確保のため止葉展開期追肥は有効な手法であった。
留意事項・課題 止葉展開期追肥の過剰施用は、大麦の硝子率を高め、落等の原因となるため、施用時期の生育量を見て施用の可否を判断する必要がある。

鳥取県

地区名 倉吉市上北条地区
主体 個別農家 面積(ha) 35 年次 H19 低減率(%) 69
最寄りの普及指導機関 倉吉農業改良普及所
(電話番号)0858-23-3192
技術の名称 5単肥やBB肥料等の安価な肥料の使用
導入目的・背景 化学肥料費の抑制
施肥改善技術の内容 元肥・穂肥とも尿素施用
成果等 収量・品質にほとんど影響なくコスト削減。
留意事項・課題 均一散布。定期的な土壌診断の実施と不足成分の補給。

岡山県

地区名 総社市
主体 その他生産者組合 面積(ha) 0.2 年次 H20 低減率(%) 17
最寄りの普及指導機関 農業総合センター普及指導課
(電話番号)086-955-0274
技術の名称 7たい肥や緑肥の活用
導入目的・背景 化学肥料施用量の低減
化学肥料費の抑制
施肥改善技術の内容 鶏フンを施用
成果等 収量・品質が向上。
留意事項・課題 鶏フン連用による影響・鶏フン成分の分析。

山口県

地区名 山口市名田島地区
主体 農協 面積(ha) 60 年次 H20 低減率(%) 34
最寄りの普及指導機関 山口農林事務所
(電話番号)083-922-5291
技術の名称 6りん酸、加里成分を押さえた複合肥料(L型肥料)の使用
7たい肥や緑肥の活用
導入目的・背景 化学肥料費の抑制
その他
施肥改善技術の内容 緩行性肥料→「鶏フン+硫安」
成果等 土地利用率200%を目指す地区として地力増強に有効
留意事項・課題 発酵鶏フンのN成分への転換率解明。鶏フン散布時の飛散防止対策。

福岡県

地区名 北筑前地域
主体 その他生産者組合 面積(ha) 259 年次 H20 低減率(%) 20
最寄りの普及指導機関 農林水産部経営技術支援課
(電話番号)092-643-3494
技術の名称 1土壌診断や栄養診断に基づく施肥設計の見直し
6りん酸、加里成分を押さえた複合肥料(L型肥料)の使用
導入目的・背景 化学肥料施用量の低減
化学肥料費の抑制
施肥改善技術の内容 基肥をりん酸・加里成分が少ない肥料に変える
成果等 肥料コスト20%削減。
留意事項・課題 土壌診断の継続実施
地区名 中間市、遠賀町
主体 その他生産者組合 面積(ha) 267 年次 H20 低減率(%) 50
最寄りの普及指導機関 農林水産部経営技術支援課
(電話番号)092-643-3494
技術の名称 1土壌診断や栄養診断に基づく施肥設計の見直し
5単肥やBB肥料等の安価な肥料の使用
6りん酸、加里成分を押さえた複合肥料(L型肥料)の使用
導入目的・背景 化学肥料施用量の低減
化学肥料費の抑制
施肥改善技術の内容 基肥をりん酸成分が少ない肥料に変える
成果等 肥料コスト50%削減。
留意事項・課題 減肥できるものとできないものの見極め。生産者への説明。

佐賀県

地区名 県内全域 県内全域
主体

個別農家

面積(ha) 9000 年次 H19 低減率(%) 6
最寄りの普及指導機関

農業技術防除センター

(電話番号)0952-45-5297

技術の名称

6りん酸、加里成分を押さえた複合肥料(L型肥料)の使用

導入目的・背景

収量の向上

施肥改善技術の内容 土壌分析結果に基づいて、燐酸・カリの土壌蓄積が認められる地域において、従来の山型肥料に替えて、L型肥料を用いることにより、施肥の改善と併せて肥料費の軽減が図れる。
成果等 県内の土壌調査によると、燐酸含量はかなり増加しており、カリについても増加傾向にある。また、水田では稲・麦わらの圃場還元を推進し、有効利用が図られており、普及性は高い。
留意事項・課題

燐酸・カリの基準の作成(減肥開始時期、減肥終了時期)

簡易な土壌分析法の確立

稲・麦わらについては基本的に圃場還元を行う。

数年に一度は土壌分析を実施する。